"トリム&ラン"からのスペシャルゲスト放送 放送報告

【第51回~福祉×スポーツ~】「楽しむことが一番大切だと教えてくれるユニークな彼らに心から感謝」 スペシャルオリンピックス日本・北海道 札幌事務局 杉山幹夫さん

2017/08/29

株式会社アイ・サム_ロゴ

 

数週に渡り、身体が不自由でも子どもと一緒でもOKなマラソン大会『さっぽろトリム&ラン+ウォーク』(produced by .株式会社アイ・サム)よりゲストさまが出演してくださっています☆

 

 

第51回ゲスト

 

「ガチフク!」第51回目は、スペシャルオリンピックス日本・北海道より札幌事務局 杉山幹夫さんをゲストにお招きさせていただきました。

 

スペシャルオリンピックス(SO)とは、知的障害のある人たちに様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を年間を通じ提供している国際的なスポーツ組織”(引用元:スペシャルオリンピックス日本公式サイト)とされていますが、そのきっかけは、故ケネディ大統領のお家の庭での遊びだったそうです。

そのふとした出来事から、1968年に、“故ケネディ大統領の妹“ユニス・シュライバー”は、当時スポーツを楽しむ機会が少なかった知的障害のある人たちにスポーツを通じ社会参加を応援する「スペシャルオリンピックス」を設立”し、彼女は“知的障害のある人たちの可能性を実現し、彼らに対する社会の否定的な固定観念や差別的態度を変えるため”にその生涯を捧げたのだそうです。(引用元:スペシャルオリンピックス日本公式サイト)

 

 

「日本にも(公益財団)法人ができて、札幌にもプログラムが展開されるようになり、北海道でも日常的に知的障がいのある子どもたちがスポーツを楽しめる環境ができてきました
今年は、スペシャルオリンピックス札幌プログラム所属アスリートの伊藤友里ちゃんがオーストリア大会で、参加ディビジョンにおいて世界3位になるなど、素晴らしいニュースが飛び交っていますよ」

 

 

――<平間>今年のさっぽろトリム&ランにも、スペシャルオリンピックス日本・北海道さんがブース出展してくださっていました! 友里ちゃんやお母さんの美香さんともガチフク!に出演してくださって以来お会いできて、元気な顔を見れて嬉しかったです!

 

 

 

 

Change the view

~福祉×スポーツ~

 日々にかけがえのない体験のプレゼントが

~ スペシャルオリンピックスのコーチという生き方 ~

 

 

――<平間>杉山さんがスペシャルオリンピックスに携わるようになったのは、どんなきっかけだったんですか?

 

 

「札幌事務局長の池崎さんに誘われたから、です(笑)
でも、躊躇なく参加することができたのは、生まれ育った地域に知的障がい者支援施設があったからです。父親がそこに野菜を納めている八百屋さんだったので、彼らと小さい頃から遊んでいた経験があって、何の抵抗も違和感もなかったんですよ。
むしろ、知的障がいのある子たちと遊んでいると自分が得るものが多いと、その頃から感じていました

 

 

――<平間>杉山さんは、テニス暦30年のスペシャルオリンピックス札幌プログラムのテニスコーチなんですよね?

 

 

「球を投げて打たせてあげられればコーチにはなれますよ(笑)」

 

 

――<平間>えっ!(笑)

 

 

「スペシャルオリンピックス認定コーチには、座学を受け、実技をして、そのまま10時間コーチとして現場に立てば、なることができます。
そのコーチクリニックのカリキュラムの中の、『アスリート理解講座』がとても素晴らしいんです。その講座では、知的障がいのある人とはどんな風にお付き合いをさせてもらえばスポーツを楽しんでもらえるのか、という、関わり方の勉強をさせてもらえます。

例えば、バックハンドって僕らでも大変じゃないですか。その上アスリートには言葉さえも通じないケースもあるので、教え方が合っていないのかという以前に、そもそも教えていることが伝わっているかどうか自体が不安になる場面も少なくありません。そんな時に、いきなりできるようになった瞬間に立ち会えたら、嬉しさが半端ないんですよ!横で見てるお母さんが泣きそうなくらい喜んでいて、一緒に抱き合って喜べちゃう

誰かが何かをできるようになる瞬間の喜びの体験をプレゼントされる。スペシャルオリンピックスのコーチをしていると、日々が感動の嵐なんです」

 

 

――<平間>プレゼントされる感覚なんですね!素敵ですね。

 

 

「ファミリーから飲み物をいただいたりすることもありますし、コーチの回数を重ねると、自閉症の子も僕を覚えてくれたり寄ってきて抱きついてきてくれたりするんですよ。
その辺の感情表現は彼らはストレートですから、たまらない幸せですね」

 

 

――<平間>教えたつもりだったり、伝えたつもりだったり、・・・でも、伝わってないと思ってたら伝わってて、ある日大きな愛情表現で返ってきたり。やりがいがありますね!

 

 

「わりと、伝わらないのを前提にやるんです。伝わらないと思っちゃったら何にもならいけれど、伝わらなくて当たり前だと思ってやらないと、こちらも挫折しそうになることもあるので(笑)

ただ、アスリートたちが楽しんでやってくれてるかどうかだけは気になります楽しいかどうかの表現が上手じゃない子もいるので、観察するしかないんですよね。ずっと見てると「あ、楽しんでるのかな」って思えたり、本当にはしゃぎ出したりすることもあったり。
自分がよく見ることで、アスリートたちの本当の気持ちがわかるようになったことも幸せですよね

 

 

――<平間>そのお話、認知症介護とリンクしました。僕も老人ホームで働いていた時期に、おじいちゃんおばあちゃんに伝わってるかどうかわからないけど、全力で楽しんで全力で伝えるしかない現場がありました。

 

 

伝わらなかったとしても、伝えようとする気持ちを持ち続けていると、ある時突然伝わるんですよね」

 

 

――<平間>全く認知してもらえていない一介護士だと思っていたはずなのに、僕がその老人ホームを辞めるときに、おばあちゃんが「あんたはいっつも飛んだり跳ねたりして!」ってしっかり覚えてくれてたことがわかって、すごく嬉しかった思い出があります。
そういう喜びって、この仕事の醍醐味や特権だと僕は思ってるんです。

 

 

スペシャルオリンピックスのコーチは、無料で資格が取れて、月2回くらい自閉症の子たちと一緒に遊んでいるうちに、いろんな感動を自然に体験できる。僕も、これは他にはないな、と思っています

 

 

杉山コーチとアスリートたち(画像引用元:杉山幹夫さんFacebook)

 

 

 

 

~ 余暇としてのスポーツ ~

 

 

――<平間>打ち合わせの際に、スペシャルオリンピックスのアスリートたちがトリム&ランに参加することが“余暇”だとおっしゃっていましたが、その捉え方っていいなと思いました。

僕も、ただただ真面目に働いて帰宅しての繰り返しだけじゃなく、時々スペシャルなイベントとかが人生のスパイスみたいにあると毎日に活力が湧くから、余暇っていう楽しみは大切だと思うんです。

 

 

「そうですね。
トリム&ランに参加するかしないかという件を議論していた時に、先輩事務局員の袖城さんという人が「やっぱり余暇として用意してあげたい」と言ってくれたので、ファミリーの方々が賛同してくだされば出ましょうっていう話になったんです。

アスリートとして競技会に出ること自体がスペシャルオリンピックスであり、競技会は日々あります。日常的にトレーニングをしているから、僕らは敬意をこめて彼らをアスリートと呼んでいるわけなんです。もちろん、僕らも素人ながら、真剣にコーチをやるっていうことを日々繰り返しています。真剣勝負をする競技会以外に“スポーツを楽しむ”という場面がアスリートたちにあっていいんじゃないかって話になったんですよ

 

 

――<平間>それって、本当に大事ですよね。 大人たちも、仕事をして家に帰って、仕事して家に帰って、仕事して家に帰る・・・その繰り返しも悪くないんでしょうけど。

 

 

「他の世界を持っている方が、逆に、仕事にしっかり向き合いやすかったりしますよね」

 

 

――<平間>メリハリになりますからね。

 

 

「僕も、あの子たちと出逢って一緒に走ろうと思わなかったら、日曜日のあんな雨の中に公園には行かないだろうし(笑)
雨上がりの気持ち良さを堪能しつつ、僕は真駒内スタジアムの中で久しぶりに五輪マークを見て感動しましたね。札幌オリンピックの歴史を感じました。本当にあの日はいろんな感動をいただきました」

 

 

――<平間>真駒内スタジアムのある土地って、最初からずっとオリンピック競技場だったんですか?

 

 

「オリンピックの2年前にスタジアムとアリーナができたんですよ。現真駒内小学校が審判団の建物で、その周辺に選手村ができていました。そして、それ以前は、あの土地は米軍のゴルフ場で、その前は陸軍が駐屯していたんです。

そして、さらにその前のあの土地の姿は、牧場でした。クラーク博士の後輩のエドウィン・ダンというアメリカ人が、北海道に酪農の技術を伝えてくれて、真駒内のほぼ全域を開拓してくれたんですよ。エドウィン・ダンの後を継いで農場長になったのが、札幌農学校の二期生の町村金井金彌(キンヤ)。その町村農場で働いていた宇都宮仙太郎が、アメリカで乳製品の加工を学び、日本で初めて、民間でバターの製造販売を実現し、雪印乳業の始まりとなったんですよ。」

 

 

――<平間>わ!真駒内スタジアムのあるところって、すごい歴史がある土地だったんですね!

 

 

 

 

それぞれのトリムマラソン出場エピソード

 

 

トリムっていいですよね。自分でタイムを言ってそれに合わせて走ればいい。自分のペースを一番理解している人の勝ちで、速ければ良いというものではない。

実は、アスリートたちも、私の先輩の林コーチと一緒に、トリムマラソンに出場するために少し練習したんですよ。でも、当日はアドレナリンが出てしまったのか、みんな競技会と同じように思い切り走って頑張ってしまって、練習よりも11分速くなってしまったんです(笑) それでも、練習より速くなるって良いね、それも逆に楽しいね、とか言って笑えて楽しかったですよ。

 

優勝したチームと2位のチームは、申請したタイムに0.0秒以下の誤差だったそうですね!すごかった! 3位も0.1秒台の誤差だったとか!」

 

 

――<平間>ちなみに、チームガチフク!も、視聴者さんとチームを組んでトリムリレーに出たんですよ。

 

 

「わ、一緒に走っていたんですね!
僕は、お兄ちゃんアスリートのトリムマラソン参加の伴走を林コーチと一緒に二人でしました。走者を両脇から押しつぶしているように見えて、伴奏の方が目立っていたと言われてしまいましたが(笑)

僕自身は、走りながら真駒内公園の緑のたまらない美しさに見とれていました」

 

 

――<平間>チームガチフク!は、結ちゃんと電動車椅子3人と手動車椅子1人の5人チームで6kmトリムリレーに出場したんです。車椅子の背中にガチフク!の黄色い看板を背負って走っていました

 

 

「・・・それは見えてなかったなぁ!(笑)」

 

 

――<平間>ええぇえ~・・・それを見せたかったのに~!(笑)

 

 

「あははははは(笑)」

 

 

チームガチフク!プレート

 

 

――<平間>実は、タイム申請の時点までは、僕も一緒に走る段取りだったので、そのメンバーで計算したタイムを申告していたんですよ。でも、実行委員としてブースを見なきゃいけない役回りになってしまって、僕が走者として参加できないことが本番2週間前くらいに判明してしまって・・・。

 

 

「計算してたタイムと全然合わないですね(笑)」

 

 

――<平間>そうなんです。だから、そのタイムに近づけるためには結ちゃんが全力で走ればギリギリ間に合うかもしれなかったので、無理言って頑張ってもらったんです。

 

 

「結ちゃん、すごい役だったんですね(笑) 」

 

 

――<結>トリムマラソンの気分なんか全然味わえませんでした(笑) 必死で走って5分台前半のタイムでバトンタッチしました!

 

 

――<平間>全身汗だくで走ってたね~(笑)

 

チームガチフク!

 

 

 

 

 

 

~ 体感して!トリム&ランの数々の名場面 ~

 

 

――<平間>しかも、トリム&ランの開会式のときは土砂降りで、どうしようかと思いましたよね。
でも、開会式が終わってトリム6 kmリレーが始まる時間になって、スタートラインに結ちゃんが仁王立ちして空を2秒くらい見つめて・・・そこからスタートダッシュしたら、雨がパーッと上がっていったんですよ!結ちゃん、何かしたでしょ?

 

スタート直前気合十分

 

 

――<結>・・・話盛りすぎだから(笑)

 

 

「晴れ女なんだね~。気象予報士の僕の友人が、あの日は10時には晴れるよと言っていたんですよ。いつもは聞き流していたけど、その日だけはなぜか信じていました(笑)」

 

 

――<結>あ!トリム6kmリレーの開始時間って10時でしたよね!すごいピッタリ予報!

 

 

――<平間>はい、ここでメッセージが届いています。

『先週はお疲れ様でした私たちは入賞はできなかったけど完走できてよかった!!結ちゃんありがとう!!』

 

 

――<結>この子がトリム5kmに手動車椅子で出場したので、伴走させていただいたんです。

 

 

「手押しの車椅子で5kmって大変ですよね!」

 

 

――<結>その子の頑張りを約1時間ずっと一番間近で見られて、すごく感動しました!どんなに大変でも、絶対に「手伝って」って自分から口に出さなかったんですよ!本当にすごかった!

 

 

――<平間>この子は練習の時から頑張ってたんですよ。スタジアムを出るところの坂なんて傾斜が急ですごく大変で、何回も練習しました。 改めて坂を車椅子で走ると、やっぱり普段気づいていないことがいっぱいで。

実は僕、去年のトリム&ランの前日に、自分で5kmを手動車椅子で走ってみたんですよ。

 

 

「手の皮とか剥けませんでした?」

 

 

――<平間>剥けました!それに、脇とか謎の筋肉痛になりました。

 

 

「普段使わない筋肉なんだね」

 

 

――<平間>はい。

真っ直ぐ漕ごうとするんだけど、左腕の方が疲れていたらどうしても左に寄って行っちゃうから意識して左腕にも力を入れないといけないし、真っ直ぐに見える道でも実際は右側に沈むように路面が傾いていたら右に流されて行っちゃうから今度は右腕だけ頑張らなきゃいけない、みたいなことの延々繰り返しで。もちろん、上り坂の時は平地以上に常に両腕に力が必要だし・・・

 

 

「平間さん、すごいジェスチャーしながら喋ってるけど・・・ラジオの向こうに伝わるかな?(笑)僕はとてもよくわかるんだけど(笑)」

 

 

――<平間>ラジオサイマルラジオでご覧の皆さ~ん!伝わりました?(笑)

 

 

「実は僕が伴走したのも、5kmのトリムだったんです。全く同じ種目で走っていたんですね!

そういえば、手動車椅子のランナーさんがいらっしゃって、長い上り坂でゆっくり進んでいらっしゃったので、僕達が追い越すときに「大変ですね~、頑張ってください!」って声を掛けたら「今に見てろ~!」って言われたんですよ。そしたら、下り坂になった途端、手動車椅子の車輪から手を離して、傾斜に委ねるがままにシューって思い切り加速なさったので、あっという間に追い越されちゃったんですよ!(笑)
そんなコミュニケーションもなかなか楽しかったですね。

 

 

――<結>そうそう、そうそう!(笑)

私が伴走させていただいた子は、ゼッケンをつける準備がなかなかできなくて、スタート自体が遅れちゃったので、ずっと全ランナーの一番後ろを走っていたんです。一番後ろって、後走として2人の救護スタッフさんが見守るように走ってるんですよね。長い長い上り坂を女の子が手動車椅子で自力でゆっくりゆっくり進んでいたので、学生さんみたいな男の子の救護スタッフさんたちはおしゃべりしながら歩いていたんです。
でも、下り坂になった途端にその子がビューって加速した瞬間、その男の子たちが「マジかよ!」って叫んでダッシュしてついてきたのが面白くて仕方なくて(笑)

 

 

「あはははははは!」

 

 

――<平間>時速10~15kmぐらい出てますよね、あれ(笑) 車輪がブルブルガタガタするくらいスピード出してる人も見かけますけど。

 

 

――<結>そうそう。いきなり崩壊したらどうしようかと思ってました(笑)
だから、下り坂でも、途中から合流した伴走の男の子と2人で車椅子のハンドルを両側から持って、車椅子と同じスピードで走ったんですよ。

 

 

「え!あのスピードで走ったの?それはすごいね!」

 

 

――<平間>よくついていったよね! それも、なかなか普通のマラソン大会じゃ味わえない面白さだよね(笑)

 

手動車椅子ランナーと伴走者

 

 

 

「僕が伴走していたお兄ちゃんは途中で優雅にトイレに行ってましたよ(笑) それがなければ、わりと申請タイムにドンピシャだったんだけど・・・(笑)」

 

 

――<平間>あはははははははは!

 

 

――<結>余裕ですね(笑)

 

 

――<平間>また追加メッセージが届いてました!
『そして突き指しました』!

 

 

「え?突き指?」

 

 

――<平間>トリム&ランに出場するには、スポーツ用車椅子じゃなく、生活用車椅子を使わなきゃいけないんです。生活用車椅子には、ハンドリムっていう持つところの要所要所にタイヤにくっつくスポークみたいなのがついているんです。

この子は、下り坂であまりにもスピードを出しすぎたために、そのクルクル回ってるスポークに指を挟んで突き指してしまい、救護班に助けられた、と(笑)

ちなみにその救護班は、以前ゲストで来ていただいた長浜さんの会社の所です!

 

 

「みんなホントに良い顔で走ってて、感動しました!本当にお疲れ様でした!」

 

 

 

 

~ 楽しいことは自然にできるようになる
決め付けないで、一緒に笑って ~

 

 

――<平間>“知的障がいの人たちにもスポーツの機会を”とスペシャルオリンピックスが生まれ、今この時代でも彼らアスリートと一緒にスポーツを楽しめる環境に杉山さんはいらっしゃいますが、“なんかいいものもらっちゃったな”っていうエピソードってありますか?今回のトリム&ランに限らず教えてください。

 

 

「そうですね・・・そういうエピソードは多過ぎて、何を話したらいいのか・・・っていう感じですけれども。

例えば、ずっとピリピリピリピリって口で鳥の鳴き声の真似みたいなことをしながらあちこちを楽しそうに見て過ごしているアスリートがいるんです。人の話を聞いてないように見えるんですけども、どうやらちゃんと伝わっているんですよ。普段も、ちゃんと並んで自分の順番を待って、少しずつだけど教えたこともやってくれます。
ただ、彼はテニスではずっとホームランタイプだったんです。ラケットにボールを当てることはできるんだけど、高く遠くに打って飛ばすのが楽しいみたいで。それを見てお母さんは「打ってコートの中に入れなさいってことを、うちの子は理解できないんだ」って、とても心配していたんです。

でも、僕に言わせてみれば、健常の子どもにとっても、足の体重移動って結構難しかったりするはずなんです。例えば、ボレーする時に足が正面に向かって体重移動してると、パンッと強く入る玉が打てますが、その動作を分析すると、ラケットごといくということと体重を乗せていくということの、同時に2つ以上のことをやっているわけなんです。更にコーンに当てなさいっていうことになると、3つのことを同時にやらなきゃいけなくなる。難しいし、強制すると混乱しちゃうかもしれません。
だから、その子のお母さんが練習中にベッタリ横にいて、“こうしなきゃダメだよ”“コーチが言ったんだからこうしなきゃいけないよ”ってずっと言ってるものだから、僕、大声でゲラゲラ笑いながら「お母さん、めんどう見過ぎ~!」「心配しすぎ!横にいすぎ!」って言ったんです。気の小さいコーチだったら言えないのかもしれないんだけどね。

ハッとしてお母さんが恥ずかしそうに離れた後、そのアスリートとやりとりを続けていたら、突然、体重移動もできて、しかもコーンも狙うようになったんですよ!

もう、その瞬間に嬉しくて嬉しくて、僕とお母さんは泣いてるんだか笑ってるんだかよくわかんないくらい感動して、思わず抱き合っちゃって

そんなことがあって、お母さんが障がいを持ったお子さんとしっかり一緒にいることも大事なことなのだけど、時折適度に離れてみて、“自分の子がこんなことを一人でできている”っていうことを見守って実感することも、お母さんにとって幸せなことなんじゃないかなと思ったんです。そして、それをちょっとよその人間の自分が間に入ることで実現した瞬間でもあったので、結構嬉しかったですね 。

アスリートのお母さんたちはね、“大丈夫だろうか”“スポーツなんかできない”“他の子はできてるのにうち子はできない”って、とにかくずっと我が子のことが心配なわけなんですけど、実は世の中の他のお母さんたちと同じ心配なんですよね(笑)

 

 

――<平間>障がいを持っている子のお母さんは、どうしてもそうなりがちな人が多いかな、って僕も感じています。
お子さんが35歳になっても、“うちの息子はそれはできない”“うちの息子にはちょっと無理だわ”とかあれこれ口を出してしまう場面を目の当たりにしたこともあります。

 

 

「スペシャルオリンピックスは小学校4年生だったりするから仕方ないところもあるんですけどね」

 

 

 

スペシャルオリンピックス日本北海道

 

 

 

 

――<平間>視聴者から質問が届きました。
『自閉症の人で、最初はスポーツに興味がなかったのに、周りに影響されてできるようになった人はいるんですか?』

 

 

「たくさんいると思いますよ!
例えば、僕の知ってるアスリートで、全然ラケットにボールが当たらなかった子がいたんですが、お母さんに来てもらって眼鏡をピシッとしたら、プロのアスリートみたいにボールを打つようになったんです。単純に、眼鏡がズレてしまうからボールが見えなかっただけだったんですね(笑)
そして、「かっこいい!」って盛り上がってたら、目つきもどんどん真剣になって凛々しい顔つきになって、みるみるうちに打ち合いもできるようになったんですよ。

その子が楽しめる雰囲気にしていたら、いつのまにか集中して夢中になっていて、自然に上達した。できないって決めつけてしまわないで、環境を整えてあげれば、ちゃんとできるようになるんです

私たちだって、一度もやったことない全く知らないスポーツに最初から興味津々なことも稀じゃないですか」

 

 

――<平間>本当の可能性ってチャレンジしてみないとわからないし、そのチャレンジが失敗したとしてもその過程が楽しかったりするし、いい経験とか新たな一歩になったりする
そのチャレンジは、お母さんにとっても良い経験になる

だから、スポーツでも、俳句でも落語でも、新たなチャレンジの機会って良いなって思うんですよね。トリム&ランももちろん含めて、きっかけは何でもいいと思うんです。

 

 

 

チームガチフク!アンカー

 

 

 

~ チームガチフクで?
チームスペシャルオリンピックスで?
来年は一緒に参加ましょう! ~

 

 

――<平間>トリム&ランは本当に良い大会ですよね。

 

 

「もっとたくさんの人に参加してほしいですよね」

 

 

――<平間>去年が約1,000人の参加で、今年の参加者は800人くらいだったんですよ。そのうちの約2割の150人くらいの方が何らかの障がいをお持ちの方でした。

告知方法や申込方法など、運営会社のアイ・サムさんもいろいろと工夫されているので、実際に参加した人が「めっちゃ面白かったよ」「一緒に遊びに行こうぜ」って口コミを広げてくれれば更に確実に大きなイベントになっていくと思います!

 

 

「パラリンピックとかテレビの映像とかで見れたりする光景も一部あるんですけど、間近で見てみると、なかなか映像だけではわからないことが多いですよね。

自分たちが走っているすぐ横を、目の見えないランナーさんが猛スピードで走っていくと、何とも言えず胸が熱くなります。そして、伴走してる方が、そのランナーさんが転んだりしないようにと、道の流れとか下りとか上りとかの情報を丁寧に伝えながら、お互いに端を持っているリボンのテンションが変わらないようにしっかりペース合わせて走る。ランナーの姿にも伴走者の姿にも「かっこいいな」って感動して泣きそうになりました」

 

 

――<平間>そう、実際にその場にいて体感しないとわからないことが多いですよね。

 

 

「彼らのお陰でまた面白いことを体験させてもらっちゃったなって本当に感謝しています。
私たちスペシャルオリンピックスの活動がちゃんと広がっていって活動メンバーが増えれば、自ずとトリム&ランの参加者も増やせると思うので、頑張ります!」

 

 

――<平間>よし!来年はチームガチフク!も20人くらい連れて行いこう!4部隊くらいつくろう!

 

 

「スペシャルオリンピックスもたくさん連れて行いきますよ!」

 

 

――<平間>スペシャルオリンピックス軍団とガチフク!軍団が戦う、みたいな?(笑)
あちこちで「あれ、ゲストで来ていましたよね?」みたいな会話も弾んで。

それこそ、“余暇としてのスポーツ=楽しむスポーツ”の場としてみんなでワイワイしたいですね!

 

 

――<結>楽しそう!同窓会みたい!
皆さん!来年はトリム&ランに一緒に参加しましょうね!

 

 

 

 

 

~今週のスポットライト~

「介護福祉士」

 

 

――<平間>ヘルパーを使って生活している人はどんどん増えてきているし、グループホーム、サ高住と、高齢者介護施設もどんどん増えてきています。介護福祉士の需要は右肩上がりに増えているものの、その数は全然追いついていません。寧ろ、どんどん足りなくなっていっていて、統計では、2025年までに32万人足りないという数字が出ています。
2017年の介護福祉士の受験者は2016年の半分の79,130人だと介護福祉士会のホームページで発表されていました。

 

 

「原因はわかっているんですか?」

 

 

――<平間>介護福祉士の資格を取るには、国家試験を受けるという方法か、働きながら5年の経験を積んで450時間の研修を受けるという方法を取るしかないんです。

 

 

「無理ですね」

 

 

――<平間>はい。ハードルが高いんですよね。

 

 

「資格取得の構造を変えないとですね」

 

 

――<平間>それも理想の一つですね。
さらに僕は、介護福祉士の資格に囚われず、福祉の意識・知識がある人が介護現場以外・地域社会に増えるというのも大切なことだと思っています
例えば、自閉症の子がCMの曲を延々と口ずさみながら地下鉄に乗っていて、自閉症を知らない人は「なんかやだ」「怖い」って感じるのが現状。でも、自閉症というものを知っているだけで、「完璧じゃん!おもしれ!」って感じたりする(笑) それがこの社会の普通の日常にまでなったらいいと思うんです。

 

 

「彼ら、物真似が非常に上手いですしね!(笑) 僕、地下鉄アナウンス完コピしてる子がいて、本物のアナウンスと勘違いしたことがありますよ(笑)」

 

 

――<平間>そう、こうやって楽しい話題になるようなマインドが世の中に広がればいいなって思うんですよね。

 

 

 

 

 

~今日の新たな方程式~

「福祉×スポーツ
=人生に絶対必要な楽しみ、
そして余暇である!」

 

 

――<平間>スポーツって、プロスポーツ選手たち命を削って一生懸命取り組むものでもある。その反面、誰もが楽しんでいいものだし、誰もが必要としていいもの。今日は改めてそう思えました。

 

 

「楽しかったですね。普段考えていることをこうやって電波にのせるということは滅多にないので、改めて意識して言葉にすることで、自分が考えていることを再認識できる良い機会になりました。平間さんと結ちゃんとも仲良くなれて嬉しかったです。一緒にあの会場で走っていた仲だというのがまた良いですね」

 

 

 

 

ありがとうございました☆

 

来週のゲストさまも、身体が不自由でも子どもと一緒でもOKなマラソン大会『さっぽろトリム&ラン+ウォーク』(produced by .株式会社アイ・サム)よりお迎えいたしますので、どうぞお楽しみに☆

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ガチフク!次回のテーマは!

remember the 福祉×介護

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