放送報告

【第22回~福祉×お米の可能性~】「“町のお米屋さん”出発だから思う、何よりもお客様にお届けしたいもの」  株式会社アサヅマ 代表取締役社長 朝妻史江さん

2018/07/09

第22回放送ゲスト

 

 

「ガチフク!」第22回目は、株式会社アサヅマより代表取締役社長 朝妻史江さんをお招きさせていただきました。

 

朝妻さんは、今年(2016年)で就任4年目を迎えた3代目の代表取締役社長。英語の専門学校を卒業し、その学校の先生の旦那様だという御縁で衆議院議員の伊吹先生の秘書を5年ほど務められた後、株式会社アサヅマに就職し、平成25年に代表取締役社長に就任されたそうです。

宝石米のアサヅマ」のテレビCMで株式会社アサヅマをご存知の方も多いですよね。

 

 

 

Change the view

~福祉×お米の可能性~

 株式会社アサヅマが
お客様にお届けしている本当のもの

「札幌で一番のお米屋さんになろう!」
代々引き継がれた夢と志

株式会社アサヅマ_会社ロゴ

 

――<平間>僕が札幌でデイサービスセンターに勤務していた頃、車の送迎で東区を走り回っている時にアサヅマさんの営業車や工場をよく見かけました。あの大きいロゴはインパクトがありますよね。実は、お米屋さんだということは後から知りました。

朝妻さんは、創業者であるおじいさまのお孫さんとして最初から社長になることを約束されていたのですか?

 

 

「入社して18年くらいは、父からも祖父からもそのことについて言われたことはありませんでした。就任の1年前に話し合い、社長になることを決めました」

 

 

――<平間>歴史ある会社の子として生まれるというのは、マンガに出てくるようなエリーのキャラクターの人生を創造してしまいますが、そういう感じではなかったのですか?

 

 

祖父母がやっていた頃の元々のアサヅマは、いわゆる“町のお米屋さん”だったんです。私が幼い頃に父の代になり、母が手伝いつつ何人かの社員を抱えるようになりました。それでも、専門学校、魚屋、クリーニング屋さんなどがある普通の商店街の中で営業していたので、全然歴史ある会社という感じではなかったんですよ」

 

 

――<平間>そうだったんですね。“町のお米屋さん”から、自社ビルが建っているほどの今の株式会社アサヅマになった経緯を教えてください。

 

 

父が社長になった時に「札幌で一番のお米屋さんになろう」と目標を掲げました。それまでは自転車で配達できる範囲の近所の方々だけがお客さんだったのを、車で配送するようにして札幌全域とその近郊まで広げました。

現在は、車は25台あり、スタッフもたくさん増えました。札幌に工場もあります」

 

 

 

 

 

 

単なる販売では終わらない!
お客様の笑顔がアサヅマ流配達の痕跡

 

 

――<平間>事業のイノベーションにおいては、いろいろな転換期があると思います。例えば、ウォルト・ディスニーは映画を発信することに加え、“楽しさを広げる会社”というコンセプトを軸にして“楽しさを実体感できるワンダーランド”をつくろうという発想になり、ディズニーランドが世界中に広まりました。

会社の理念や信念を持ちつつ他の業界のノウハウを結びつけて発展するケースが多いと思うのですが、アサヅマさんはどんな経営スタイルなんですか?

 

 

店舗に買いに来てもらうのではなく、各御家庭にお届けしてコミュニケーションを取るスタイルです。配送するスタッフは現在24人いますが、スタッフ1人で1,000件ほどを担当するエリア担当制になっています」

 

 

――<平間>なるほど。アサヅマさんは、お米屋さんと運送業のかけ算みたいなスタイルで、スタッフ一人一人が配送先でも“町のお米屋さん”のスタンスのままでお客様との人と人とのつながりを大切にし続けているのですね。

お店で販売しないスタイルはお父様の代から始まったのですか?

 

 

「父の時代はまだ販売専門の店舗がありました。今でも営業所にお越しくだされば販売しておりますが、販促用のディスプレイなどは特にしていない状態です」

 

 

――<平間>朝妻さんの代で新聞屋さんや牛乳屋さんのように届けるスタイルに完全に転換したんですね。お家まで行ってお客様の顔を直接見てお届けすると、コミュニケーションが生まれますよね。

ご注文される方はお年寄りが多いのですか?

 

 

「そうですね。中には、元気な若い主婦の方も、お子様が小さいと一緒にスーパーに買い物に行くのも一苦労だということで「お米だけは宅配で」とご利用されているようです。

でもやっぱり、若い方と違って車の運転もできない方が多いのでお年寄りのお客様が多いかもしれません。まだ運転できる方も、お米は車から家の中までご自分で運ぶには重過ぎますからね」

 

 

――<平間>僕らでさえも、5kgで重く感じますから、高齢者の方のニーズは多いでしょうし、とても喜ばれるでしょうね。

 

 

「そうですね。“届けてもらって便利”だということももちろんあると思うのですが、定期的にご自宅にお伺いするので、「最近はどうですか?」などという弊社スタッフとのコミュニケーションを喜んでもらえているようです。お孫さんが訪ねて来ているような感覚で、家で収穫したものをくださったり、「お菓子でも食べていきなさい」とお声掛けいただけたりするようです。「お客様たちにいろいろいただいて満腹になるので、お昼語ご飯を食べられないんです」と言うスタッフもいて(笑)

単なる販売・配送だけではなく、お客様に喜んでいただけるアサヅマ独自のサービスを提供できているのだという実感と喜びがあります

 

 

――<平間>“気心知れたいつものあの人がお米を届けてくれて、楽しくお話ができる”そんなひとときが日常の中にあることが嬉しいのでしょうね

国の制度で介護保険やヘルパー事業が行われてきましたが、少子高齢化によって税金を納める人が少なってきており破綻しかけています。デイサービスを利用するお年寄りも一人暮らしの方がほとんどなので、今まで週3回デイサービスに行っていたりご自宅でヘルパーさんを毎日使っていた人が一人で過ごすしかない時間が増えてしまいました。税金事業で国民を支え続けるのは大切ですが、このまま収入源が減る一方だとどうしても補いきれない部分があったり、一人一人にかける時間が少なくなったりしてしまいます。人としての本来の生活に必要な、ゆっくりお茶を飲みながら「最近どうですか?」「何かしたいことはありますか?」などと話す相手がいなくなったりしてしまっているんですよね。そんな時に、アサヅマさんのように民間が担える大切な役割があると思うんです。

 

 

 

(画像参照元:はたらいく)

(画像参照元:はたらいく)

 

 

 

 

 

もっと逢いたいから思い描く
“お客様の向こう側”

 

 

――<平間>介護を必要とする人と介護サービスをつなぐ際には、いわゆる知識も必要ですが、その先の“利用された方がどう思うか”ということへの配慮が大事だと思います。秘書時代を含めて、そういった“お客様の向こう側”を想像する場面は今までありましたか?

 

 

「新サービスを始めた時ですね。お米だけだと月一回の配送ですが、お客様にもっと喜んでいただきたいと思い、3年ほど前から野菜の取り扱いを始めました。アスパラ、トウモロコシ、トマトなどの旬の野菜を、その日の朝に弊社スタッフが農家さんのところまで取りに行き、その日のうちにお客様にお届けします。「美味しかったからまた持ってきてね」などのお客様の声をスタッフが直接聞けてやりがいにつながるので、お客様にとってもスタッフにとってもプラスの結果につながってよかったな、と思っています」

 

 

――<平間>とれたての野菜はすごく美味しいですし、生産者の元からその日のうちに直接届けられるなんてお客様にとっては最高ですね。

 

 

 

 

つきたての生餅を年末限定販売!
日本の古き良き文化も紡ぎ、お届けいたします

 

 

――<平間>アサヅマさんでは、年末にも素敵な取り組みをされているんですよね?それについて教えてください。

 

 

「20年続いている取り組みなのですが、札幌の和菓子屋「秋月」さんに弊社の餅米をついていただいて、のし餅、豆餅、草餅を年末に限定販売しております。最近は真空パックのお餅がスーパーで売られているようになり、家で自分たちでついたお餅はなかなか食べる機会がありませんよね。もしかすると、子どもたちは餅がカビたりだんだん硬くなっていったりすることを知らないのではないかと思うんです。ですので、その日の朝についた生のお餅をスタッフが各御家庭にお届けしています

 

 

――<平間>餅米をついてこねて、お餅にするプロセスが文化ですよね。つきたてのお餅は本当に美味しいですし。

僕が大学生になった頃には既にその文化はなく、杵と臼で餅をつくイベントがあると「珍しい」「風流だな」という感じがしました。結ちゃんはつきたてのお餅を食べたことはある?

 

 

――<結>関西に13年ほど住んでいた時に、友達が自宅で毎年お正月に餅つき大会を開催していたので、ラッキーなことにずっとつきたてのお餅を食べる機会に恵まれていました。逆に、真空パックのお餅は最近になって初めて食べました。

 

 

――<平間>便利なものが増えてきて、昔当たり前だったものが当たり前じゃなくなり、ネット通販でお米が買えたり、コンビニでもある程度美味しいお餅が食べられるようになったりしました。でも、生餅の美味しさには絶対にかないません。僕も小さい頃、亡くなった祖母が毎年お餅をついてくれていて、小麦粉が付いた両手であんこを包むと綺麗な丸のお餅にできていたのを思い出して、少し寂しい気持ちになることがあります。

アサヅマさんのように「ご家庭に届ける」という想いのある企業さんが文化を継承していく担い手になってくれるのはとても良いことですし嬉しいです。良い歴史は紡いでいくべきですし、若者が積極的に古き良き文化を勉強して情報発信するべきです。

 

 

餅つき画像

 

 

 

 

「ありがとうございます。でも、もう1時間が経ってしまったんですね。あっという間でした」

 

 

――<平間>そう言っていただけるのは嬉しいです。熱い想いがあり、夢中で語り合えたんだと思います。

ですが、まだまだ“お米の可能性”について探りきれていない部分がたくさんあるので、来週も朝妻さんに来ていただきましょう!来週もよろしくお願いいたします!

 

 

 

 

 

 

~今週のスポットライト~

ハンセン病

 

先週に引き続き、今週のスポットライトも「ハンセン病」についてです。
今回、東京コレクションでモデルになったとあるデザイナーさんがハンセン病をテーマにしていて、そのファッションショーにスポットウォーキングさっぽろのメンバーが参加したので、引き続き取り上げてみました。
90年間も国は「優生保護法」という間違った政策をしてきました。優生上の見地から「不良な子孫の出生の防止」するとともに「母性の健康を保護」することを目的とすると法律で謳っていたのです。あろうことにこの法律は、1970年代までは社会的に必要な合理的な手法とされていました。

「障がいを持った人は妊娠してはいけない」とし、その中にはハンセン病患者も含まれていました。しかも、ハンセン病患者は「ライ菌は空気感染するから閉じ込めてしまえ」と福祉村のようなところに隔離されていたんです。男女とも、結婚する前に不妊手術を受けさせられ、万一結婚前に妊娠した場合は堕ろさなければならず、しかも、その胎児は、見せしめのためにホルマリン漬けにされました。この件に関しては国が裁判で敗訴しました。

母体保護法に変わったのはつい最近の1995年です。

 

ガチフク!次回のテーマは!

remember the 福祉×介護

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