放送報告

【第5回放送~福祉×食×心~】「何度も何度も立ち向かっていけることこそが“幸せ”」 書家&「謡食bar I don't know」経営者 加藤掌心さん

2017/03/15

第5回画像

 

「ガチフク!」第5回目は、書家であり、すすきのの飲食店「謡食bar I don’t know」の経営者である加藤掌心(しょうしん)さんをゲストにお招きさせていただきました。加藤さんは、あいの里にて書道教室「晨慶庵(しんきょうあん)」を主宰しつつ、まちや企業にて出張書道教室をなさっている傍ら、昭和娯楽の伝道をテーマに「謡食bar I don’t know」を営んでいらっしゃいます。デビュー作は、「大信州 豊乃蔵」という日本酒のラベルアメリカのストリートでパフォーマンス生活もしていたこともある、精力的な書道家さんです。

大信州 豊乃蔵

 

・・・と、ここで、突然の「Happy Birthday to 結-Yu-」!!!

放送日の2日前に32歳の誕生日を迎えた結-Yu-。平間氏の計らいで、サプライズプレゼントのオンパレード!平間氏からはファイヤーダンスを意識してのキャンドルのプレゼント。なんと、ゲストの加藤さんからも「結」の文字の色紙が!そして、まさかの局長のマルさんが乱入してくれてワインのプレゼントを!そしてそして、結-Yu-が普段踊っているお店によく遊びに来るお友達たち(一人は車椅子ユーザーさん)が放送局のガラスの向こうに!!!嬉しすぎて、そして、予想外すぎてビックリして、涙が出そうになりました。

「両親は、“女の子だから、優しければ、それだけでいい”と思って“優(ゆう)”と名付けてくれました。でも、ファイヤーダンスという道ならぬ道を歩んでいると、いろんな人が声を掛けてくれたり、助けてくれたりします。その人たちへの感謝を忘れずに、私に関わってくださった人たちとご縁をしっかり結んで歩んでいきたいという抱負から“結(ゆう)”という字で音を当て字して、芸名としました。誕生日というこの節目の日に、改めて、その初心を思い出して、その時の想いを大切にこれからも頑張っていきたいと思います。 By. 結-Yu-」

皆さん、本当にありがとうございました!!!

 

 

 

 

Change the view!
~福祉×食×心~

いろんな人がいることが“普通”だという姿勢が、一番の饗(おもてなし)

~ 特別扱いはしません。ただ、“心ある人間として臨機応変に”サービスします ~

 

――〈平間〉さてさて。今回は、リスナーさんから事前に質問をいただいておりました。ありがとうございます。

福祉施設職員のKさんより
施設行事で、利用者さんと一緒に、90分の食べ放題バイキングに行ったときのこと。利用者さんには、全盲の方や、歩行の際に手引きや杖が必要な方など、料理を自分で取って来ることができない方もいます。なので、利用者さん一人一人に対し、料理の説明や、焼いたりする調理のお手伝いや、食事介助が必要な状況でした。そうなると、利用者さんにも職員にも、ゆっくりたくさん食べるのに十分な時間がありませんでした。そこで、障がいのある方と一緒に食べ放題やバイキングに行く際には、せめて30分長い120分にして欲しいと思ったのですが・・・」とのこと。

加藤さん、どう思われますか?

 

 

「「ありがとう」を求める心で“特別扱い”なサービスになってしまうのは、僕は違うと思います。自分としては、常に平等な視点でいようと心掛けているので。

ただ、“心ある人間として臨機応変に”サービスする姿勢は良いのではないかと思います。僕は、すすきのでは1年8ヶ月、足掛け10年ほど飲食業に携わっています。みなさんのお食事をおもてなしする段取りを舞台の流れで考えると、食べ放題90分が始まる前にはしこみで約15分、食べ終わった後には撤去で約15分、が自ずとかかっているんです。つまり、そもそも店にとっては、90分の食べ放題は実質120分枠で考えているんですよ

 

 

 

 

~ みんなが楽しめる心が響き合うスペースをつくり出すのが大切 ~

 

――〈平間〉お客様の90分をどう捉えるのか、どんな風に過ごしてもらうのか、って大事ですよね。楽しい90分にしてもらおうとするのか、ただ90分経過させるのか、意識の持ち方で違ってきますよね。

 

 

「“”という、“おもてなしという文字があるんです。テーブルで向かい合わせになって語り合いながら2人で食事をする、という漢字なんです。そこから派生した文字が“”。お互いがしゃべった言葉が音になって空気感になる様を指します。
なので、みんなが楽しめる心が響き合うスペースをつくり出すのが「謡食bar I don’t know」の使命なんですよ」

 

 

車イスで入れる美味しいお店 
『謡食bar I don't know』

 

 

 

――〈平間〉どの業界にも、決められた最低限のルールがあって、その一歩先を考えても考えなくても、その一瞬を終えることができる

でも、どんな身体でも、認知症でも、食事をする権利はみんな平等に持っている。“ただ90分食べ飲みをする=栄養補給”にしてしまうのか、“いかに90分過ごすのか?を意識する=食事をする”のか、は全然違いますよね!

 

 

 

 

~ 差はいろんなところにある。だから“普通にすること”が一番のおもてなし ~

 

「先ほども言いましたけど、僕は特別なことはしません。わざわざ「ありがとう」といわれるようなことはしない。

なぜなら、一番のおもてなしは、健常者だとかや障がい者だとかに囚われず、“いろんな人がいること”を“普通であること”とすることだと思うんです。差はいろんなところにあります。男女差だって、生き方や価値観だって様々。本来、そこに上下なんてないんです」

 

 

――〈平間〉スポットウォーキング協賛店になって、今までと変わったところはありますか?

 

 

ないです!」

 

 

――〈平間〉(笑)

 

 

「正直、車椅子ユーザーのお客様には、不便だと思わせてしまうところがあったり、不自由さを感じさせてしまっているかもしれない、と反省することもあります。

ただ、深いところでは、身体的ケアだけじゃなく、心のケアも必要なんじゃないかと思っているとこがあって。我々「謡食bar I don’t know」のスタッフは、店の外に出たら一切店でのことを話しません。・・・まぁ、忘れやすい歳だってこともあるんですけど(笑) なので、ざっくばらんに何でも話してくれれば、と思っています」

 

 

――〈平間〉あったかい!障がい者福祉の歴史では、山奥の施設に収容されていた時代があったり、障がいを持った子を産んだお母さんが罪の意識に悩まされたりしてきた。

でも、僕は、福祉関係者や医療関係者だけが考えることではないと思っていて。なぜなら、生活のフィールドは、福祉や介護ではないから。それこそ、“食”は生活の中心ですし、その場面などで気付いたことをみんなで共有していって社会を変えていくのが次世代福祉なんじゃないかと僕は思っているんです

 

 

 

 

~ 文字の成り立ちや意味を紐解き、心を解き放つ ~

 

「実は、お店をやっているのは、人に逢えるからなんです。僕は、山奥で滝に打たれて書けるようになるタイプではないので(笑)

今は、ネット上に“今日の一文字”を毎日アップしています。日付が1日だったら一画の文字、30日だったら三十画の文字を、というように」

 

 

――〈平間〉え?!三十画の文字?!“鬱”とかですか?

 

――〈結〉(介護福祉士らしい発言・・・?・笑)

 

 

――〈平間〉では、ここで加藤さんにいきなり無茶振り!
結-Yu-ちゃんの好きな文字である“”の意味を教えてください!

 

 

「はい。これはですね、野焼きのことを指します。“藝”という文字は、いろんな意味が合わさってこうなりました。

“艸”(くさかんむり)だけで“くさ”と読めるんですけど、“草(くさ)=広場”で野焼きして、神に祈る心を表現している文字です。それというのも、熱(埶)い魂から藝術は生まれてくるけれど、古代の人は、その熱い魂がどこから来るのかわからなかったんです。なので、その自分の“得体の知れない感覚”を“神”によるものだと思った。“云”は“口ごもる”と読み、口にできないほどの激しい想いによって何がそこにあるのかわからない様を指します。

例えば、“魂”も右に“云”がありますよね。人間の魂の奥底には何があるのかわからない、実はそこにいるのは化け物なのではないだろうか、ということから“鬼”という字と合わさって“魂”になりました。漢字は4000年ほど前に普及して現在まで使われている最も珍しい文字なのですが、呪術的な役割も持ち合わせているんです。

このように文字の成り立ちやその意味を紐解くことを通して、いろんな考え方や方向性を伝えているのが、書道教室晨慶庵(しんきょうあん)です

 

掌心さん

 

 

 

 

今週のスポットライト!

 習い事

 

――〈平間〉書道教室を主宰している加藤さんに、またまた質問があります。

車椅子ユーザーの女の子が、とある料理教室に通いたいと思って問い合わせしたところ、バリアフリー教室ではないからという理由で断られてしまったんです。その子は、断られたことがショックで、結局、料理教室に通うこと自体を諦めてしまいました。

周りの配慮で諦めなくてもいい場面ってたくさんあると思うんですけど、この場合は加藤さんはどう思いますか?

 

 

うちの書道教室にも、発達障がいなどの障がい児の生徒さんがいます。こんなに書けるようになるんだって障がい児の生徒さんが実感できるようになるまでに、だいたい5~6年かかります。でも、実は、普通の子でも5~6年かかります。大人でも5~6年かかる人がいます。そこにあまりスピードの差はないんです。それに、結局、物覚えのスピードは人それぞれなんですよね。

そして、その料理教室側には、良い悪いはないと思います教室側の都合もあって当然だと思うので。僕はたまたまOK、だというだけなんじゃないですかね
僕は、書道を通してその人の幸せやよりどころになればという覚悟があるので。あ、もちろん、その覚悟がない教室が良い悪いという話でもありませんよ。

ただね、その車椅子ユーザーの女の子には、“たまたまその教室はそういうところだったんだ”と気持ちを切り替えて、次に進んで欲しいと思いますよ。自分が本当にやりたいのなら、何ぼでも何べんでも立ち向かっていく。そのこと自体が幸せだと僕は思うんです。だから、諦めないで欲しい。

福祉”という言葉は、二つの文字できている言葉ですが、実はこの2つの文字は、両方“幸せ”と読むことができる文字なんです。“福祉”という言葉自体は、中国では孔子が残した言葉であり、日本では聖徳太子の時代に出てきた言葉だとされています。
“福”という文字の右側は、とっくりに酒がいっぱいになっている様を表わしています。“礻(しめすへん)”は“神”を表わしているので、幸せで満たされるように神に祈っている様のことを“福”というのです。“祉”という文字は、“礻(しめすへん)”に“止”ですね。足を止めて周りを見て、自分が神から与えられたものをよく見つめて幸せを感じる様を表わしている文字なのです。

なので、僕は、サービスを提供する側だけじゃなく、サービスを受ける側にも強い心がないと、本当の“福祉”ではないのでは?と思います。健常者も障がい者も、自分がどれだけ貪欲に幸せに対して向き合えるのかが大切なのではないでしょうか。

“歩みが止まってしまうこと”が良くないと思うんです。もちろん、歩みを止めてしまうのはもっと良くないことですよ。お互いの歩み方や歩むペースは、別々の人生を生きているのだから、仕方のないこと。障がい者は障がい者なりの、健常者は健常者なりの人生を生きているじゃないですか。
どこが自分の歩くべき道なのかを求めて、後押ししたり引っ張り上げることの両面が揃って、はじめて本物の“福祉”なんだと僕は思います

そして、習い事こそ、自分のしたいことを追求することです。究極、下手でも満足できればいいんです。僕は、書道を通して、文字を紐解くことで何らかの答えに気付くことができるということを伝えていきたいと思っています」

 

書道教室企業出張

 

 

ガチフク!次回のテーマは!

remember the 福祉×介護

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